トロンボーンの吹き方を詳しく知りたい方は、こんな悩みを抱えているのではないでしょうか。
「音はなるけどブブブ・・と、こもった音になってしまう。」
「肺活量の問題?何が問題かわからない・・」
実は、肺活量の問題ではありません。
これらはたった2つのことをやってもらうだけで解決します!
その2つのこととは、
トロンボーンの音をよく聴くこと
唇について知ること
です。
この記事では、
- なぜトロンボーンの音をよく聴くことが自分のトロンボーンの音色向上に繋がるのか
- トロンボーン奏者なら知っておきたい唇のこと
- トロンボーンらしい音を出す練習方法
をご紹介していきます。
この記事を読み終えた後は、あなたのトロンボーンの吹き方が向上し、吹き方についての悩みも消えています。
ぜひ最後まで読んでみてください。
トロンボーンの吹き方を改善するために覚えておきたいたった2つのこと
トロンボーンのこもった音・濁った音を改善するために覚えておいてほしいことが2つあります。
それは、
- しっかり良い音を出しているトロンボーンの音を聴くこと
- 唇の表面は筋肉ではなく粘膜でできていること
です。
詳しく掘り下げていきます。
①トロンボーンの音を聴くだけで音色が向上する
なぜトロンボーンの音を聞くだけで音色が向上するか、不思議ですよね。
その答えは、音程を出すのは唇ではなく”脳”だからです。
例えば、カラオケに行って歌を歌う時、音楽が流れてきてさあ声を出そうとして
「声帯を動かそう!」と思いますか?
また、思ったとして声帯は自分の思う通りに動きますか?
きっと難しい、いやほぼ無理だと思います。
トロンボーンも同じで、音色を向上させるためにはまず
自分の脳に理想のトロンボーンの音を教えてあげる必要があります。
トロンボーンを吹く時のアンブシュア
アンブシュアという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
アンブシュアとは、楽器を吹く時に必要な口周りのシステムのことを指します。
もちろん、音色向上のために物理的にアンブシュアを改善するのも1つの方法。
しかしぶっちゃけ
脳が記憶したトロンボーンの音を出すためには、アンブシュアを先に考えるのはオススメしません。
脳が「この音を出そう!」と思うと、唇やアンブシュアは自然に楽器に音を出すために動き出します。
なので何よりも大切なのは、自分の脳に出したい理想とするトロンボーンの音色と聴かしてあげることなのです。
実際、私のレッスンの中でも、生徒さんが出せずに困っている音を私が聴かせてあげると、一瞬で狙った音が出せた生徒さんは何人もいます。
CDやYouTubeでいろんなトロンボーンの音を聞くのもオススメです。
②唇について勘違いを解くだけでトロンボーンの音色が向上する
2つ目は「唇について勘違いを解くだけでトロンボーンの音色が向上する」です。
たまに「唇は力を抜いて」「リラックスして」という言葉を聞いたことがあると思います。
しかし、唇の力を抜くなんてめちゃくちゃむずかしくありませんか?
実は唇の表面は筋肉ではなく粘膜でできています。
そして正しい音を出すために唇を操作しているのは、その周囲の部分。
ちなみに唇に筋肉は存在していますが、それは唇の底の方にあります。
音を鳴らすときに振動する部分ですね。
唇で音を変えようとすると音に集中できなくなるので、あまり唇のことは気にしないようにしましょう。
アンブシュアは息が流れて初めて成立する
楽器を吹く時の口周りのシステムのことを”アンブシュア”と言います。
トロンボーンだけでなくサックスやフルートにもアンブシュアはあります!
吹き方について悩みがある人は、唇をコントロールしようとするのと同時に、アンブシュアもコントロールしようとしてしまいがち。
アンブシュアは、息の流れ・唇・顎・舌・顔面の筋肉から構成されたチームです。
これらの一つが欠けていたら、適切なアンブシュアはできないと考えておきましょう。
つまり、空気をしっかり流していかなければ、口周りをゴニョゴニョしても意味がありません。
トロンボーンらしい張りのある音を出すために、息をしっかり流すことを念頭においておきましょう。
息は吸ったらしっかり吐き切りましょう!
「トロンボーンの音が篭る」を解決!音色改善の練習方法
「理屈はわかったけど実際にどんな練習をすればいいの?」と迷う方もいるはず。
トロンボーンの音を籠った音から温かい音へ向上させるには、リップスラーを重点的にやることをオススメします。
リップスラーとは、タンギングをせずに音を変えるテクニックのことを言います。
練習方法についてはこちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
やり始めた時はかなり難しいのですが、慣れてくるとできるようになるものなので、ぜひ挑戦してみてください。
また、リップスラーを極めたい人にオススメなのがこちらの教則本。
プロも使っている本です。
リップスラーは唇をさらに柔軟にして、トロンボーンの吹き方を向上させてくれるいわゆる便利な練習方法です。
最初の1ページだけでも良いので、ぜひ取り組んでみましょう。
トロンボーン奏者なら知っておきたいトロンボーン奏者
冒頭では、自分の脳に理想とするトロンボーンの音を教えてあげる必要があるとお伝えしました。
世界には素敵なトロンボーンの音色を持つトロンボーン奏者がたくさんいますが、その中でも聴いてほしい奏者をご紹介します。
特に、毎日の練習前に聴いてみると自分の音に反映しやすいと思います。ぜひやってみてください。
Michel Becquet (ミシェル・ベッケ)
ミシェル・ベッケはフランスのトロンボーン奏者で、日本にも何度も来日されたことがあります。
トロンボーンだけではくブラス界の巨匠と言われており、トロンボーンを吹く人なら絶対に知っておきたい人物。
まさに歌うようにトロンボーンを演奏しているので、よく聴いておきましょう。
Joseph Alessi(ジョセフ・アレッシ)
ジョセフ・アレッシはニューヨークフィルの首席奏者として、またソリストとして世界で活動しているトロンボーン奏者。
最近では中川英二郎氏率いいるカルテット「スライドモンスターズ」のメンバーとして、よく日本にも訪れています。
アレッシはがっつりクラシック界隈の奏者でありながら、ジャジーなテイストも取り入れているのが魅力的。
まさしく張りのある”アレッシサウンド”をじっくり聴いてみましょう。
Jörgen van Rijen (ヨルゲン・ファン・ライエン)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席奏者として活動するヨルゲン・ファン・ライエン。
彼もオーケストラやアンサンブルの一員として、ソリストとして世界中で活動しており、日本へも頻繁に演奏会のため来日しています。
私も生の演奏を聴いたことがありますが、表現力・音色・技術、どれをとっても素晴らしいの一言に尽きます。
これからの活動も見逃せないトロンボーン奏者なので、ぜひチェックしておきましょう。
可能であれば来日のタイミングでコンサートへ行ってみることをオススメします。
まとめ:トロンボーンの吹き方は難しく考える必要なし
トロンボーンの吹き方についてご紹介しました。
音楽は、そもそも頭で考えるのではなく、聴いて、感じて楽しむものです。
頭で考えることもありますが、行き詰まった時は初心に戻ることが重要です。
トロンボーンで温かい音を出したい方は、こちらの記事も参考にしてください。