「トロンボーンを始めてみたものの、どんな練習をすればいいか分からない」
そんなお悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。
特に部活でトロンボーンを始めた学生さんや、大人になってからトロンボーンを始めた方は、練習方法を伝えてくれる人が近くにいなくて困ることが多いでしょう。
そんな方のために、トロンボーン講師歴6年の私が「トロンボーン初心者のための練習方法」を3つご紹介します。
基礎さえ押さえていれば曲を吹いた時もスムーズに音が鳴ります。
ぜひトライしてみてください。
津田静華(つだしずか)/Shizuka
トロンボーン奏者・パーソナルミュージックコーチ
名西高校音楽科でクラシックを学び、その後ジャズに転向。2019年からアムステルダム音楽院へ留学し、ジャズトロンボーンをBert Boeren氏、Ilja Reijngoud氏、バストロンボーンをMartin van den Berg氏に師事。
現在はノルウェーに身を置き、生徒一人一人に合ったレッスンを行なっている。また、ブロガーとして音楽記事も精力的に執筆中。
メンタルトレーナーや心理カウンセラーの資格を取得したり音楽心理学のコースを受講するなど、パフォーマンス・メンタルについての知識を広げている。
トロンボーン初心者のための練習方法3つ
トロンボーンを始めてまだ数日〜数ヶ月という初心者のために、練習方法を3つご紹介します。
それぞれとてもシンプルな練習方法ですが、奥が深いのでまずはやってみてください。
トロンボーンに限らず、楽器は「地味な練習」の積み重ねで上手くなっていきます。
一つ一つの課程は飛ばさず、進んでいきましょう。
①ロングトーン
まずは、ロングトーンです。【超簡単】トロンボーンで暖かい音・優しい音を出すポイント2選でもお伝えしましたが、ロングトーンは暖かい音色を作るためにとても重要です。
音色だけではなく、アンブシュア(楽器を吹くための口、土台)をしっかり作ったり、息のトレーニングとしても効果バッチリの方法。
まさに初心者を含む全トロンボーン奏者にとって、基礎を作るための大事なトレーニングです。
一番地味に思われがちですが、もちろんただ音を伸ばすだけだと全く意味がありません。
せっかくやるので、ロングトーンが効果的にできる具体的なやり方をご紹介します。
ロングトーンの具体的な練習方法
- メトロノームを用意(ネットやアプリにあります)
- ♩80に設定
- 吹く前に4拍で息を吸う
- シb(Bb)を8拍間出す(音量は小さくしない。mfくらい)
- 4拍で息を吸う
- ド(C)を8拍間出す
- チューニングBbまで繰り返し
これらの音を間で4拍息を吸いながら、それぞれ8拍ずつ伸ばす形。
この時注意して欲しいのは
音を8拍伸ばし切ろうとして息をセーブしないこと
です。
息をセーブしようとすると音が潰れていってしまうので、mfくらいの少し大きめの音で息は豊かに使うようにしましょう。
どうしても息が続かない場合はテンポを80から85,90などに引き上げましょう。
実際に私がやってみているので、こちらも参考にしてください。
②リップスラー
リップスラーは、唇を柔軟にするためには欠かせない練習方法です。
トロンボーンは息により唇が振動して、音に変わります。
なので唇が柔らかければ柔らかいほど、音色はもちろん、高い音や低い音もどんどん出せるようになるでしょう。
唇は人間の身体の中ですでに一番柔らかいのですが、楽器で音を出せる唇に改造していく・・みたいなイメージで捉えてもらうといいかもです。
リップスラーをよく勘違いしている方が多いのですが、(初心者だった昔の自分を含め)リップスラーは簡単にいうと「タンギングをせずに音を変える奏法」をいいます。
なので音が変わる瞬間はタンギングはせず、息と少しのアンブシュアの動きだけで音を変えていきましょう。
リップスラーの具体的な練習方法
- Bb(シ)ーF(ファ)ーBb(シ)の順番で舌を使わずに吹きます。
- ポジションを一つ下げて、A(ラ)ーE(ミ)ーA(ラ)を同じく舌を使わず息だけで吹きます。
- また一つポジションを下げて、G(ソ)ーD(レ)ーG(ソ)を吹きます
- ポジションを下げてどんどん吹いていきましょう
文字だけでは分かりにくいと思うので、実際に私がやってる動画も参考にしてください。
③タンギング
タンギングにはいろんな種類がありますが、まずはスタンダードなものを練習していきましょう。
トロンボーンはスライド楽器なので、タンギングをしなければ音同士が繋がってしまいます。(音によりますが。)
曲を吹く上でも大事なテクニックなので、練習していきましょう。
タンギングの具体的な練習方法
- メトロノームを♩80に設定
- 以下の譜面のように四分音符と八分音符をそれぞれ吹いていきます。
こちらも動画内で実演しています。
文字で読むのも大事ですが、耳で聞くのも大事なので、ぜひ参考にしてください。
【トロンボーンの練習】なぜこれらの練習が必要なのか
楽器がある程度吹けるようになると、ついつい曲を吹くほうが楽しくなってしまいそればかりを練習しがちだと思います。
しかし、それは陸上選手が準備運動もなくいきなり競技の練習をするのと同じこと。
ちゃんと準備運動を時間かけてしっかりやらなければ怪我につながりますし、例えば100メートル走の選手だと、ただ走るだけではなくスタートダッシュや足の筋力トレーニングもしっかり行っています。
トロンボーンも同じで、曲をより楽しく音楽的に演奏するためには、それ以前に基礎のトレーニングやウォームアップがめちゃくちゃ大事です。
今回ご紹介した初心者のための練習方法は、初心者でも無理なく取り組めて、トロンボーンの基礎の部分がしっかり作れるようにしてあります。
楽器をケースから取り出した後は、5分、10分でもいいので、ぜひ取り組んでみてください。
音楽を楽しく演奏するために頑張りましょう!
練習のモチベーションを保つために
とはいえ、練習のモチベーションを毎日保つのは難しいですよね。
「モチベがない・・」というときは、好きなトロンボーン奏者や好きな音楽を聴くとやる気が湧いてきます。
あとは、楽器を吹きたくない時は思い切って休むのもポイント。
しばらくすると「やりたい」という思いが沸々と湧いてくるので、その時にまた練習を再開させましょう。
楽団で取り組んでいる曲や上記でご紹介した練習が難しいときは、プロに相談するのが一番。
1人で悩んでいても仕方ないので、専門家とレッスンを行って最短で上達を目指しましょう。
私もオンラインで個人レッスンを行っているので、
- どんな練習方法がおすすめか
- 楽器を吹く上で悩んでいることを話したい
など、なんでもいいのでいつでも相談を受け付けています。
興味がある方はこちらから詳細ページをご覧ください。
まとめ:無理のない練習方法で確実に上達していこう
今回は初心者向けの練習方法をご紹介しました。
「音は出るけど、もっと上手くなるにはどうしたらいいかな」と迷っていた方はぜひ参考にしてください。
もちろん、できることが増えてくると今回の練習方法だけでは物足りなくなってくるはずです。
これからもこちらのブログではトロンボーンをもっと楽しく吹くためのヒントをお伝えしていくので、ぜひチェックをよろしくお願いいたします!