トロンボーンを始めて曲の練習をし始めた頃、次にぶつかる壁は「音色の問題」だと思います。
「ベターッとした音になってしまう」
「どうしても音が潰れちゃう」
そんなお悩みを抱えた、トロンボーン吹きの皆さん!
この記事では、
暖かくて、優しいトロンボーンの音色の出し方をご紹介しています。
また、いつもの練習にプラスするだけでどんどん音色が良くなるトレーニング方法もご紹介しているので、そちらもぜひ参考にしてください。
トロンボーンはかっこいい音も優しい音も両方出せちゃうすごい楽器です。
ぜひマスターして、トロンボーン生活をさらに豊かにしていってください♪
津田静華(つだしずか)/Shizuka
トロンボーン奏者・パーソナルミュージックコーチ
名西高校音楽科でクラシックを学び、その後ジャズに転向。2019年からアムステルダム音楽院へ留学し、ジャズトロンボーンをBert Boeren氏、Ilja Reijngoud氏、バストロンボーンをMartin van den Berg氏に師事。
現在はノルウェーに身を置き、生徒一人一人に合ったレッスンを行なっている。また、ブロガーとして音楽記事も精力的に執筆中。
メンタルトレーナーや心理カウンセラーの資格を取得したり音楽心理学のコースを受講するなど、パフォーマンス・メンタルについての知識を広げている。
トロンボーンの音がベターッなる原因
トロンボーンの音がベターッと平べったくなったり、音が潰れちゃう原因はほとんど
アパチュアの締めすぎ
だと考えられます。
アパチュアとは、唇と唇の間、いわば息の通り道のことを指します。
音を出そうとして踏ん張りすぎて、力が入りすぎてしまっている感じ。
まずはリラックスして、力を抜きすぎず入れすぎず、ただ息を流すことに集中するようにしましょう。
トロンボーンで暖かい音を出すポイント2選
具体的に、トロンボーンで暖かい音を出すポイントを2つご紹介します。
楽器を吹いている時はどうしても忘れがちになってしまうこの2つのポイントですが、練習の際、今日から意識してみてください。
①口周りの筋肉を引き締めすぎない
音を鳴らそうとする時、どうしても口の周りはグッと力が入りがちです。
力が入っていると唇も振動しにくくなり、柔らかい音は出にくくなります。
トロンボーンは唇が振動して音に変換される仕組みになっています。
程よい力加減にするためには、
口周りの筋肉を逆に完全に解放した状態で息を楽器に吹き込む
まずはこれをやってみてください。
音が鳴らなかったり、フワーとした音が鳴るかもしれませんが、まずはそれでOK。
そこから、徐々にアンブシュア(楽器を吹く時の口の形や機能)を吹きやすい状態まで持っていきます。
アンブシュアが良い状態になると、冒頭でお伝えしたようなアパチュアも、締め付けられすぎることはないでしょう。
力を入れすぎず抜きすぎず、程よい状態にするのが暖かい音を出すのに理想の状態です!
②一番大切なのは「息を流す」こと
初心者のうちは、どうしてもアンブシュアにこだわりすぎてしまいます。
もちろんそれも大事なのですが、楽器を吹く上で一番大切なのは「息」です。
全ては息がないと始まらない(?)
どれだけ良いアンブシュアをしていても、息でしっかり支えていなければ豊かな音は鳴りません。
最初の方は息はすぐになくなってしまうのでどうしてもセーブしたくなっちゃいますが、息は無くなればまた吸えばいいんです。
まずは吸った分だけしっかり吐くことを念頭におきましょう。
暖かい音を出すトレーニング方法(いつもの練習に10分足すだけ)
トロンボーンで暖かい音を出すポイントを2つ紹介しましたが、ここでは日々の練習に10分プラスしてできるトレーニング方法をご紹介します。
その方法とは、ロングトーンです。
ロングトーンとは、名前の通り
1つずつ音を長く伸ばしていくトレーニング
ウォームアップとしてすでに取り組んでいる人もいるのではないでしょうか。
実はロングトーンは、超地味なトレーニングですが、超効果のあるトレーニングでもあります。
やり方はいろいろありますが、初心者でもやりやすい方法をご紹介します!
- メトロノームを80にセット
- 音を出す前に毎回4拍かけて息を吸う→8拍音を出す
- これをシb(Bb)から行っていき、シ(Bb) ,ド(C) ,レ(D)..と順番にスケールを上がっていく
★慣れてきたら半音階でやったり、テンポを遅くしてやってみよう!
以下の動画で実際にやっているので、一度聴いてみてから取り組んでください。
音楽に限らず、シンプルなものほど難しいものです。
ポイントとしては、トロンボーンで暖かい音を出すポイント2選でお伝えした2つのことを意識すること。
ぶっちゃけ、ただいつものように吹いてロングトーンをするのは意味がありません。
特に、息を常に流すことはロングトーンでは意識しやすいので、ぜひ覚えておきましょう。
私の生徒さんの中にはロングトーンを飛ばしがちな人もいますが、必ずやるようにお伝えさせていただいています。
特に、トロンボーンで暖かい音を出すためには必須のトレーニングなので、皆さんもぜひ日々の練習の中に取り入れてみてください。
まとめ:暖かい音を出すポイントを意識しながら練習しよう
トロンボーンの魅力の一つである「暖かい音」の出し方をご紹介しました。
「自分では自分の音がどういう状態かわからない」といった方は、分析のため録音をしてみるのもオススメです。
私のレッスンでは、実際に音を聞かせていただいて、
- 今どんな状態か
- どんな練習をすればいいか
などもお伝えしています。ご興味がある方はレッスンの受講もご検討してみてください。