留学をしてみたいけどハードルが高い・・と思っている方はいらっしゃると思います。
その理由の一つに、『費用がいくらかかるのか』という疑問を持っている方もいるのではないでしょうか?
この記事では、4年間オランダへ音楽留学をして学士号を取得した私が、
実際に留学にかかった費用(留学準備費・学費・生活費)をご紹介いたします!
留学経験者の生々しい内訳なので、これを元に留学について現実的に考えてみてください。
留学準備にかかった費用
留学準備をする中で最も時間がかかりお金もかかったもの。
それが、英語の勉強でした。

そして、銀行の残高証明と保険はビザを申請する際に必要なものでした。
番外編として、強制ではないけどしておいた方がいいよということで、留学前の学校見学or夏期講習にかかった費用も紹介しています。
もちろん1番気になる学費や現地での生活費についても説明してあります。
それでは、順番に見ていきましょう。
英語学習
ドイツやフランスは、それぞれの国の言葉で授業を受けるのが基本のようですが、
オランダ、特にアムステルダム音楽院ではどの授業も英語でOKでした。(音楽教育コースだとオランダ語みたいです)
生徒も学校の約20%がオランダ人で、あとはスペイン、韓国、フランス、イタリア、ポルトガル、ギリシャ、ロシア、ポーランドなどなど、本当にいろんな国から来ている人が多かったです。
それぞれ違う国から来ているので、やはりみんなと会話するには世界の共通語と言われる英語で会話をするのが普通です。

IELTS
音楽院では、入学と同時にIELTSまたはTOEFLのスコアを提出しなければなりませんでした。
(※アムステルダム音楽院の場合は、IELTS6.0以上のスコアまたはiBT64のスコアが必要です。)
私はIELTSに決めて勉強を開始しました。
IELTSは受験料が¥25.380とかなり高めですが、教材も割と豊富にあって勉強しやすいかと思います。
私は最初、IELTSの専門塾のようなところへ通い始めました。
しかし、
ということもあり、3ヶ月で退会。
最終的にはIELTS専門に教えている人に毎週1回1時間、個人レッスンをしてもらっていました。
個人のレッスンでは上記のペースで1回¥3,000だったので、塾よりかなり安くなります。
先生はHello Talkという言語交換アプリで見つけました。
独学で勉強をするにも、教材費は必要になりますが、
塾に通うより費用は抑えられると思います。
私は主にこの2冊を使っていました。
文法は言わずと知れた”English Grammer in USE”
いきなり英語版は無理という方は、内容ほぼ同じで日本語解説ありのこちらもオススメ↓
IELTSの語彙力を集中的に上げるなら、こちらの単語集は欠かせません↓
この2冊合わせて約¥5800です。
留学に向けて手始めに英語力を計ってみたい方は手軽に始められる金額かと思います。
最近だと月額で払ってIELTSやTOEFLに特化したレッスンがオンラインで受けられます。
そちらを活用するのもいいかもしれませんね。
セブ島(フィリピン)短期語学留学
私の場合は独学で英語を勉強していました。
しかしどうしても日々の生活の中に英語の勉強時間を組み込むことが難しかったので、
思い切って、英語漬けになるために3週間の短期留学をしました。
行き先はセブ島です。
留学エージェントを頼りましたが、3週間の学費・教科書代・寮の費用込みで
およそ¥200,000
でした。
セブ島への短期語学留学についてはこちらの記事に詳しく書いてます。

オンライン英会話
やはり音楽留学となると先生とのレッスンがあったり音楽理論や歴史などの授業ももちろんあるので、
スピーキングとリスニングはかなり重要です。
それらのスキルがなければ楽器レッスンすらも成り立ちません。
というわけで、私はオンライン英会話を利用していました。
オンライン英会話は月額¥5000〜¥10,000ほどで毎日英会話レッスンが受けられるサービスです。
特にネイティブキャンプのカランメソッドには本当に助けられましたし、回数無制限のおかげで
ひたすら英語力を伸ばすことに集中できたと思います。
こちらのページではオンライン英会話サイトの比較もしています。
ぜひ参考にしてみてください。
銀行の残高証明
こちらはかかった費用というか、ビザ申請のためどちらにせよ必要になってくるものです。
あいにく、当時はいくら必要だったかは覚えていません。。
留学費用はすべてセブン銀行に貯めていました。
入学許可が降りてからセブン銀行へ直接電話し、残高証明書を発行してほしい旨を伝えると、1週間ほどで自宅に郵送されてきました。
もちろん日本語のものは受け付けてもらえないので、必ず英文で記載されているものが必要と伝えましょう。
こちらは、
1通¥500
だったと思います。
保険
私は現地での保険に加入するつもりでいたので、日本からの保険は8月末から10月31日までにしていました。
その2ヶ月で費用は
およそ¥45,830
でした。
ちなみに使った保険会社はたびほです。
他にもメディカルディヒというドイツの保険会社でありながら日本語のサポートが受けられるものもあるので、
参考にしてください。
【番外編】学校見学のためのオランダ渡航費
本留学する1年半前に、
オランダへ留学する前に学校見学+オランダという国を体感するために1週間ほど実際にオランダへ訪れてみました。
これは特に必要はないことです。
しかし、現地への視察はしておいて損はないどころか、私はお金に余裕があるなら絶対しておいた方がいいとオススメします。
理由は”実際に現地に行くことによって得られるメリットがめちゃくちゃあるから”です。

オランダで撮影した写真
実際私はオランダへ訪れて、先生のレッスンを受けたりコンサートを聴きに行ったりました。
その結果、試験は免除で学校に入学できることになったし、あらかじめ自分の英語力を現場で試すこともできたので勉強にも精が出ました。
それに、実際これから自分が勉強するかもしれない環境に少しでも身を置くことによって、将来のことが想像しやすくなります。
それだけで大いに意味があるし、モチベーションを高める・コネクションを作れる・チャンスを得れるといった意味で
このプチ留学はやって本当によかったなと思います。
2017年12月の出来事でしたが、費用は大阪からアムステルダムの往復で
¥87,000
でした。
しかし現在は物価の上昇や戦争の影響もあり、同じ航空会社(KLM)で調べてみると
¥180,000
でした・・・
あれ、桁がちがう・・?
とにかく、余裕があればぜひ現地へ一度視察に行くことをオススメします。
大体の音楽院では夏期講習のようなものもしているので、利用してみるのもいいかもしれません。
学費
日本の音大とオランダの音楽院では学費がまるで違います。
費用が安く、世界を見ながら音楽を勉強したいのなら、断然ヨーロッパへの留学をオススメします。
1年間にかかった費用
日本の一般的な私立の音大は年間約200万円授業料が必要です。
それに比べて、アムステルダム音楽院は年間約€4500(当時63万円)でした。※学士過程
(詳しくはこちらの私のnoteをご覧ください。)
オランダといっても、ロッテルダム音楽院やハーグ王立音楽院などは費用も少し違うので、それぞれ調べてみてください。
オランダでの4年間が日本での1年分にほぼ相当します。
もちろんこのあと紹介する生活費は物価の関係でヨーロッパが高いかもしれませんが、
学費を抑えて世界で活躍する教授陣からレッスンを受けつつ現地で活動を広げていきたいのなら、留学しない理由があまりないですね。
(余談)コロナ禍は学費が返金された
私の場合、2020年2月ごろから8月まで、新型コロナウイルスの影響で学校が閉鎖になったり、
オンライン授業で行われるようになりました。
学校側はきちんと約€1000(約15万円)返金してくれました。
(そのお金でM1チップ搭載のMacBookAirを購入し、現在もブログ執筆や音楽づくりに役立ってくれていますw)
現地での生活費
学費がわかったところで、次は主にかかった生活費のご紹介です。
円はどんどん上昇を続け、2023年10月30日現在は1ユーロ約157円になっています。
私がオランダに入学した頃と卒業する頃でも物価は変わりましたが、およその範囲で書いてみました。

オランダで撮影した写真
家賃
どこに住むかによりますが、
シェアハウス(他人の家の部屋に住まわせてもらう)・・・月額€500(日本円約¥78,000/水道・電気込み)
アパートで1人暮らし・・・約€800(日本円約¥126,000/水道・電気別)
でした。
アパートといっても借りる場所や大家さんによってかなり違います。
・シャワー、キッチンシェア
・プライベートルームあり
・水道電気込み+学校まで電車で40分
で€500は良かったかもしれませんが、大家さんとの相性などもあったり通学費のこともあるので、
やはりアパートで1人暮らしが1番いいかなと思います。
家賃手当も出ますしね。
私が最終的に2年間ほど住んでいたアパートは、
・学校側が紹介してくれるから安心
・住人の9割が音楽院の生徒(22時まで楽器練習可!)
・住宅手当アリ
・学校までトラムで10分
といった、かなりありがたい条件のアパートでした。
しかし!
オランダは住居問題で有名です。
音楽院が紹介してくれるアパートは抽選ということもあり、運がなければかなり長い時間待たされます。
たくさんの留学生や移民が、住む場所が見つからずに困っているというのはよく聞く話ですし、
実際に私も悩みを持ちかけられたことがあります。
私はしっかりとした家が見つかるまでは、
ホテルに泊まったりairbnbで探したりしていました。
オランダに住むなら1番重要でしかも解決しにくい問題かと思います。
早めに対処できるよう行動することをオススメします。
食費
外食をするともちろん高いです。
ちょっとスーパーでお寿司を買おうとしても、ちっちゃい巻き寿司で日本円1500円は余裕でします。
しかしバナナは1本80セントほどで購入できますし、クロワッサンも4個で€1くらいで売られていたので、
一応、お金を節約しながらお腹を満たすことはできると思います。

常温で売られている牛乳・・
日本の具材や調味料はアジアンスーパーで購入できますが、
例えばごま油なんかは900円で売られていたりするのでかなりびっくりします・・
外食を控えつつスーパーで買えるもので自炊をすると食費は節約できるので、
1日€8計算で
1ヶ月およそ€240
くらいでしょうか。
交通費
オランダにはNSトレインといういわゆる国鉄と、GVBという私会社が運営している交通機関があります。
NSトレインはオランダの各地に訪れる時に乗ることが多く、
GVBはトラムや地下鉄を利用するときに乗れます。
どちらも同じOVchipカードという日本でいうSuicaのようなものにチャージして乗車することが可能です。
後半2年ほど住んだアパートから学校までは往復でおよそ€3.5ほどでした。
1ヶ月毎日使う計算にすると、
1ヶ月約€105
でした。
それ以外にも、ギグなどで遠方に出かけることもあると思うので、
それ以上はかかると考えていいと思います。
(NSトレインは時間帯によって割引されたりします)
演奏会費用
やはり音楽をしている身としては演奏会へ足を運ぶのは欠かせません。
しかも世界的に有名なアーティストのコンサートを聴けるのもオランダでは珍しくはないので、
ぜひ外国にいる間に行けそうな演奏会は行けるといいですね。
演奏会は日本のものと比べると比較的安い印象があります。
もちろんアーティストや日程などにもよるので一概に言えませんが、ジャズなんかは1ライブでも€10でいけるものもありますし、
投げ銭制のライブも少なくありません。セッションはフリーチャージが多いです。
クラシックは大体¥7,000-¥8,000くらいが相場なので、日本とあまり変わらないかもしれません。
まとめ【総額】
単純計算すると、こんな感じです。
留学前
¥160,000(語学短期留学を除いた英語の勉強)
¥350,000(セブ短期留学+オランダ視察費)
※保険、残高証明を含まない
留学後
¥1,300,000(1人暮らし家賃+食費/年)
¥200,000(通学費/年)
※演奏会費、水道電気代を含まない
留学後の家賃は手当分を引いています。
日本で多少住み心地の良いアパートと同じくらいの値段です。
かなり生々しいお金の話でしたが、
この記事がみなんさんの留学に少しでも参考になれると幸いです。